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インドの紙幣と硬貨について

お札
100ルピー札100枚です。
このような状態で渡される札束は、お札を何枚か抜き取ることも可能なため、銀行からもらうときにまず計数機にかけてもらい、人に渡すときにまた数えてもらい、と、日本では当たり前のことではありますが、手間がかかります。
一方インドといえば、ホチキスやテープなどで動かない状態に留め、さらに銀行印や銀行のサインなどを綴じ込んである札束が有名です。この習慣、一見したところお札が破れる原因となる悪習にしか見えませんが、実は、受け渡しのときにいちいち100枚も数えたり数えてもらったりしなくてもよくなる、という至極合理的な理由もあるようなのです。私も、このタイプの札束を渡して、枚数を確認されたことは一度もありません。銀行の金額証明を兼ねているようです。

■硬貨の種類

現在の硬貨は、10 paise / 20 paise / 25 paise / 50 paise / 1 rupee / 2 rupees / 5 rupeesの七種類。
50パイサ以下のコインは「small coins」と、1ルピー以上のコインは「Rupee Coins」と呼びます。

■紙幣の種類

現在の紙幣は、Rs.5 / Rs.10 / Rs.20 / Rs.50 / Rs.100 / Rs.500 / Rs.1000の七種類。
以前に発行された紙幣やコインも使用可能であるため、巷には複数種類のお札が出回っています。

■アラビア数字のほか、ヒンディー語+英語+その他の15言語で書かれた額面

現行の紙幣の額面表記は、アラビア数字をのぞけば17言語で表記されています。
まず、アラビア数字とヒンディー語。
それから、「ONE HUNDRED RUPEES」のように、英語でも書かれています(現行の「Mahatma Gandhi Series」(1996年〜)では、英語の額面表記は比較的目立たないところに配置されています)。

さらに、その他の主要な言語。

順に、

ASSAMESE
BENGALI
GUJARATI
KANNADA
KASHMIRI
KONKANI
MALAYALAM
MARATHI
NEPALI
ORIYA
PUNJABI
SANSKRIT
TAMIL
TELUGU
URDU

と、実にその数15種類。英語とヒンディー語をあわせて17種類ということになります。

なお、昔に出版された資料では「ヒンディー語と英語をあわせて15言語」となっていることがありますが、
これは誤りではなく、確かに以前のお札には、ヒンディー語+英語+その他の13言語しか書かれていなかったからです。
以前のお札(アショカ王石柱がデザインのメインに据えられたもの)では、その他の言語の部分は
ASSAMESE
BENGALI
GUJARATI
KANNADA
KASHMIRI
MALAYALAM
MARATHI
ORIYA
PUNJABI
SANSKRIT
TAMIL
TELUGU
URDU
以上の13種類でした。
現在のものと比べると、KONKANIとNEPALIがなかった、ということになります。

■小額紙幣の印刷中止

「小額紙幣や硬貨が不足している」と言われて随分経ちます。
しかし、1ルピー紙幣や2ルピー紙幣は現在、新しく印刷されてはいません。

いわく、
「小額紙幣の寿命は約1年。その寿命の短さと、印刷コストが見合わない。1ルピー硬貨、2ルピー硬貨の鋳造を増やすことで対応する」
とのこと。
確かに、1ルピー硬貨や2ルピー硬貨の方は、随分と量産されたようです。

同様の理由で、5ルピー紙幣もいったん印刷中止になったのですが、
需要の大きさに硬貨の鋳造が間に合わないということで、印刷が再開されました。

■千ルピー札

2004年現在の最高額紙幣は、千ルピー紙幣です。
赤系の色が綺麗。
(2004年にはまだあまり普及していませんでしたが、2005年6月には十分な普及をみせていました)

■幻の廃貨、一万ルピー札!

一万ルピー紙幣。
確かにインドに存在した紙幣ですが、さすがにこれは見たことがありません。1978年に廃貨となったからです。
英国統治時代の後期、および独立後の1954年に、五千ルピー紙幣などとともに発行されていたものです。

■汚れたお札、破れたお札は取り替えてもらえる?

汚れたお札は、取り替えるまでもなく普通に使用できます。少々ぴりっと破れたくらいのお札もOK。
ですが、紙幣の一部がなくなってしまうくらいひどく破れたお札は、銀行に取り替えてもらうことになります。
快く取り替えてもらえるかどうかは、窓口の方の判断にもよるようです。

インド側の事情と申しますか、原則的なルールは、以下のようになります。

まず、分類から。
(1)「汚れたお札(soiled notes)」
使用によってよごれたり、よれよれになったりしたものです。少し切れた程度のものもこちらに含まれます。
また、お金を送る際、防犯のために偶数の額面の紙幣を半分に切って二回に分けて送るという習慣が、以前(少なくともイギリス統治時代)にあったといいます(ハーフノート)。そうした痕跡のあるお札は、「破れたお札」ではなく「汚れたお札」として扱ってもらえます。

(2)「破れたお札(mutilated notes)」
破れていたり、破損していたり、シロアリに食べられていたり(!)するものです。

「汚れたお札」については、どの銀行のどの支店でも、同額と取り替えてもらえることになっています。
ただし、「政治的なメッセージが書かれている」など、特定の条件を満たせば取替え不可となります。

「破れたお札」については、1975年に定められた「Reserve Bank of India (Note Refund) Rules」に基づいて決定されます。
10ルピー以上の紙幣については、同額取替え/半額取替え/取替え不可のいずれかになります。
1ルピー・2ルピー・5ルピー紙幣については、紙幣の破損状況により同額取替え/取替え不可のいずれかになります。

どの銀行で取り替える場合にも、取り替えた紙幣は取り替えてもらった銀行からReserve Bank(紙幣を発行している銀行)に送られることになるようです。

(参考)「Reserve Bank of India
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